千葉県柏市松葉町のコミュニティカフェ、「まつばR」(まつば~る)に行ってきた。
可愛すぎる内装
まずはとにかく可愛い写真をどうぞ。
バリアフリートイレ
ジブリっぽい
(リスの巣穴のようなカトラリーコーナー)
実際に行くと、室内は木の香り。
「世の中は普通みんな直線だから」と、壁もテーブルもすべて曲線にこだわって作られているそうで、優しい雰囲気。
ロシア料理も!体に染み込む優しい料理
ランチメニューは7種類程。なんとロシア料理のボルシチがあった!
美味しい。
「コミュニティカフェのわりに美味しいじゃないか」なんていうよりは、そのへんのレストランでは味わえない感じの、味の濃ゆくない手作りの優しい味。
例えるなら「料理上手な奥さんの手料理」。作ってくださっているのは男性なんだけれども…
つけ合わせのサラダも、見た目は限りなく普通だが、ちぎりたてという感じで美しく、作る方の愛が感じられた。漬物のきゅうりもウマイ…
(別の方の頼んだチキンロール。これも味が染みていて、美味しかった。)
まつばRのコアスタッフは男性がほとんど。
商工会関係でつながりのあったメンバーが多く、「飲みの席で」盛り上がったことがきっかけで、コミュニティカフェが生まれたのだそう。
「自分が行く場所を作るんだからこんなに楽しいことはない」
赤いアームのお洒落メガネをかけておっしゃるのは、建築士でもある田中さん(68)である。
こんなにハツラツとして仕事を人生を楽しんでいるおじさま達が日本にいたのだ…
カフェの建設は、田中さんの設計に、DIYの好きなメンバーや地域の工務店など巻き込みながら、ほぼ手作り。費用はほとんど材料費のみ。
「売ってください」と言われることもあるらしいイスも、高さから座面に使った着物の帯地まで、地域の人のアイディアと資源が活きたオリジナル。ほどよいフンワリ感で、非常におしりの座りがよかった。
まつば建設当時、わいわい工事をしている現場前に募金箱を設置したところ、楽しそうな雰囲気につられてか数百万にのぼる寄付金が集まったという。
不要になった冷蔵庫が寄付されたりと、ヒトやモノもどんどん集まった。完成する前から地域で育てた感じがあり、「みんなの場所」コミュニティカフェとして、理想的なプロセスだと感じた。
おじさまたちのアジト!
バリバリ仕事をしていた男性が、定年退職後、やることといえばテレビの番である。
地域に知り合いもいない。奥さんにくっついて回る生活。そんな非常にさびしかった生活が、まつば~るという場ができたことで、「それまで考えたこともないような趣味や特技を見つける」ことがあるそうだ。
まつば~るのコンセプトは、リタイアされた方向けの、「飲食・音楽・作品発表の場」。
音楽の好きな人がライブイベントをしたり、壁には誰かの描いた絵が展示されている。調理は日替わりシェフが担当する。いままで料理をしたこともない男性が、まつば~るの忘年会で盛り上がり、一念発起して日替わりシェフに挑戦することもあるという。
(店の前には手書きのイベントカレンダー)
誕生日会がださいなんて嘘!壮大に祝う合同バースデー
1番感動したのが、2〜3ヶ月に1度開催されるという合同誕生日会。
私は個人的に誕生日を祝うことにあまり熱心なタイプではなく、合同誕生会と聞いてもあまりピンとこなかった。
実際、団地に住む人には、自分の誕生日を忘れていたり、そもそもひとり暮らしの方も多いから、ほとんど祝うことなく過ごす方も少なくないそう。
そんな中で、みんなで集まり、「おめでとう」と言い合う雰囲気の明るさ。
ビデオで観た合同誕生日会はちょっとしたユートピアのようであった。
20代から90代まで、誕生月の方が集まり、盛大に祝う。コミュニティカフェだからといってぬるい演出となめてはいけない。
ケーキにはロウソクならぬ花火が突き刺さっており、暗闇の中で炸裂する。コアスタッフの1人がとり仕切る会は名司会と評判だそう。テーブルには詰め物をした丸鶏のオーブン焼き等ご馳走が並ぶ。
誕生日の何人かはマイクを持ち、一言話す時間を設ける。
あちこちで「おめでとう」「おめでとう」と声の出る場のつかの間のユートピア感、ぐっときた。
お誕生日って、「生きていることを祝う」ってことなんだなあ。
お誕生日を迎えた90代のおじいちゃんの、
帰り際「また寿命がのびたよ〜」と言っていたすごい笑顔が忘れられない。
その他印象に残った言葉
・やりはじめたら集まってきます
・どうせやるなら、テレビに出るようなことをやりましょう
・やるかやらないかで迷ったら、やる方を選ぶ
盛り上げるのが得意な人、料理が好きな人、木工や日曜大工が趣味の人、IT関係の現役サラリーマン、建築士、絵や音楽が好きな人。
様々な人が関わることで、まつば~るは豊かな場となっていた。
しかし関わる人が多いからこそ、意見の食い違いも沢山あるそうだ。
テレビをいつもつけて欲しい、いや俺は嫌だといった問題から、この場はビジネスにしていくのかボランティアであるべきなのかといった葛藤まで。
一つ一つ小さなことからとりあえずやってみて、それから変えてみても良い、というスタンスでやっているとのこと。
リタイア後からの挑戦。
遊ぶように働くおじさま方の姿に、超高齢社会の希望を見た気がした。
色んな人がもっとこの場に来て、色んなものを持ち込んで行けば良いと思った。
素敵な場を見せていただきありがとうございました!
〒277-0827 千葉県柏市松葉町4-10-B-7
TEL.04-7197-4521